「コトン…」
目の前に置かれた白いお皿の上には、クッキーが載せられている。
お皿からひとつを手に取ると、そのまま食べずに少し眺めてみた。
軽くてしっとりとしたこの感じ。どこかで知っている。
「いただきます」
クッキーを口に運び、サクッとひと噛みする。
この食感…あぁ、思い出した。
小学校の頃に調理実習で作ったクッキーだ。
それとよく似ている。
なつかしいな。
あの頃は、調理実習の時間が大好きだった。
誰がうまく作れるか、なんて競争はしない。
食べたいもの、作りたいものが基準の世界。
はしゃぎつつ談笑しつつも、おいしくなるように、
と一生懸命だった。
ふと、思う。
この間借りカフェでつくれるだろうか。
いつかの、あの世界を。
2021.6.20 酪農学園大学 ミナミ
酪農大環境共生・ミナミ